米国糖尿病学会も治療法の一つに認めた糖質制限法についてのご説明

糖質制限法について

はじめに

この度、第56回全日本病院学会が平成26年9月20日の午後に福岡百道のヒルトンホテルで開催され、日本メディカル給食協会主催のシンポジウムの席で、木村專太郎が基調講演させて戴く。将来の食事のことを考えると、その講演で糖質制限と機能性医学のことを述べるのがタイムリーであると考える。この両方の主題とも、それに関する医学的知識を少し会得すれば、日常生活で普通の方々の遂行が可能なことで、健康維持に寄与できると確信している。

現在では、メタボリック・シンドロームに対して、カロリー制限によるダイエット法から糖質(炭水化物)制限法が新しく見直されて、一部取り入れられているのが現状であろう。演者は10年前から、低血糖症の患者、うつ病やパニック障害の患者、不登校生徒や多動症の生徒に対して、生化学を中心とした血液検査のもとに、鉄や亜鉛欠損症やビタミン欠乏症を加療し、糖質の量を制限しながら、たん白質と脂質中心の食事を指導して良い成績を収めてきた。その経験から7~8年前になるであろうか、京都の高雄病院の江部康二先生の糖尿病に対する糖質制限食のことを知り、自分自身へと患者さんへ説明して色々と実践した。あれ以来、最近は糖質制限の概念は一般に知れ渡り、図書や文献も多くなり実践し易くなった。

糖質制限には糖尿病、高脂血症、肥満症や高血圧症など、いわゆるメタボリック症候群にも良い結果が出ているのに、内科や糖尿病学会、内科医や糖尿病の専門医は、残念ながらまだ確証がないとして反対されているようである。医者が糖質制限法を実施しないのは、薬を使わないので、故意に採用しないのかと疑問視する一般の人々も出て来ている。最近では、米国糖尿病学会も、その治療法の一つに糖質制限法を認めたと聞いている。

糖質制限法の歴史

糖質制限食法は理に適って、実によいと思っている。しかし、米を主食にして、ご飯をこよなく愛している日本人には、糖質制限法は実に不評で難しい。現在これほど美味しいお米、麺類、パンやスイーツが氾濫していれば、糖質制限法の知識の浸透や実施は、中々困難であろうと想像する。しかし、考えを変えてみると、これだけ糖質が氾濫しているから、色々の病が増えて医療費が増大するのであろう、人類の歴史500万年から700万年のうち、最後の1万年間を除いては、食生活はライオンなどの肉食獣と同じく肉食が主であったろう。そして過去約1万年前に農耕が入ってきたとき、食に変化が現れたという。日本では縄文式文化の次に来た約2000年前からの弥生式時代になって、農耕文化の稲作が始まっている。従って炭水化物(糖質)を多く摂取し始めたのは、人類史上実にごく最近のことである。

米やパンが登場したのは、弥生式文化やメソポタミア文化時代の約2000年以上前であり、なんと、うどんやそばは13世紀に創られ、発祥地は博多であるという。

糖質制限食の歴史は、英国のロンドンに始まる。1862年に葬儀屋のウィリアム・バンチングは、身長が170センチくらいであったが、体重が100kgになった。減量のことを相談された耳鼻科医のウィリアム・ハーヴェィは、糖質制限を処方して、半年間でバンチングに30kgくらいの減量を成功させている。そして翌年バンチングは糖質制限の本を出版し、バンチング・ダイエットとして一世を風靡している。米国では、1950年代にPennington(ペニントン)が糖質制限法を最初に発表し、1963年にGordon(ゴードン)とGoldberg(ゴールドバーグ)が米国医師会雑誌JAMA(ジャマ)に発表した。開業して肥満に悩んでいた循環器科医のRobert Atkins(ロバート・アトキンス)は、このJAMAの文献を読んで、1972年から糖質制限を始めたが、これがAtkins Dietとして有名になり世界中に拡がった。前にも書いたように、日本での糖質制限法は約10年前くらいから京都の高雄病院の江部康二先生が唱えられて、その後沢山の医師や一般の人々が実施して、その効果が多く出版されている。

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