腸を整え、便通を良くし、免疫を整える機能性医学についてのご説明

機能性医学について

はじめに

最近機能性医学「functional medicine(ファンクショナル・メディスン)」について、学会発表や文献などでの遭遇が多くなった。平成26年4月に大阪であった抗加齢学会の初日に機能性医学のシンポシウムが行われた。機能性医学といっても、腸を整え、便通を良くし、免疫を整える医学が主であると言えば、漢方医学を学んだ方にはなじみが深い医学分野であろう。ここで言う腸とは消化管を意味し、口腔から胃を含めて肛門までであり、口から胃、小腸から大腸までのケアを含む。

口腔内ケアと咀嚼運動

通常の常識的な歯磨きや歯間ブラシなどの口腔ケアが大切である。糖質摂取後の高インスリン血症やそれに伴う低血糖症が口腔衛生に非常に悪いので、糖質制限食が口腔内の衛生ケアに良いことが報告されている。またいろいろの口腔内の問題も、後に述べる口腔内と胃内に存在するピロリ菌の有無が口腔内衛生の成果が大いに異なることが知られている。咀嚼は1口30回と言われているが、明治時代のアメリカの実業家のHorace Fletcher(ホウレィス・フレッチャー)が提唱したように、食べたものが融けて口の中から無くなるまで、通常30回から50回噛むようにすれば、消化にも健康にも非常によい。そのために、顎の咀嚼力を鍛えるために、キシリトール・ガムを噛むことも大切である。

胃内環境の整備

逆流性食道炎で制酸剤を服用している人が非常に多い。制酸剤を常用してなくても、胃酸分泌の悪い人、例えばピロリ菌陽性の人は、委縮性胃炎のために胃粘膜が荒れて胃酸の分泌が悪い。酸が少ないと3価の鉄が2価に変換されないので、鉄の吸収も阻害される。酸の分泌が悪いとたん白質のアミノ酸への分解消化が悪く、肉を食べても「胃がもたれる」と訴える。鉄は鉄筋コンクリートの建物の安定に絶対に必要なように、人間でも姿勢の安定、造血機能やその他沢山の身体の重要な酵素や機能に必要である。眩暈や立ちくらみなど、人間の不安定さを示す症状のときに、貧血があったり、赤血球の大きさを計るMCVが95以下である小球性であったり、血清フェリチン値が40ng/ml以下(基準値5~150ng/ml)であるときに鉄不足を疑って鉄を投与したり、肉やレバーの食を勧め、制酸剤を中止すると症状が軽快する場合が多い。胃もたれや胸やけの症状に悩む患者には、漢方薬の補中益気湯や(ほちゅうえききとう)六君子湯(りっくんしとう)や腸の栄養であるグルタミンの入った保健薬・マーズレンなどを処方すると症状が軽快することが多い。

眩暈や立ちくらみ症状で鉄が不足のときには、亜鉛も足りないことが多い。胃薬のエビオスビール酵母やプロマックに亜鉛が入っているので、積極的に摂取されることをお奨めする。

糖質制限食を行うと胃酸の分泌と全身の栄養状態が改善し、胸やけの訴えを改善するケースが多い。胸やけの訴えで制酸剤(H2ブロッカー・PPI)を服用している患者には、糖尿病や肥満症でなくても、1食か2食かの糖質制限食を勧めみる価値はある。

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